クローンと聞くと抵抗感を持つ方も多いのではないかと思いますが、驚くことに中国や韓国ではビジネスとしてペットの商業化が進んでいるようです。
まだまだ議論が浅い中での見切り発車的なビジネスではありますが、今後、愛猫の遺伝子を引継ぎ、まったく同じ形をしたクローン猫を手に入れることができる時代が賛否両論の中、一歩一歩近づいてきているようです。

クローンといえば、羊のドリーが有名ですね
猫のクローンとは?ペットビジネスの未来は?
平たく言うと、今生きている猫のコピーを作るという事です。
手順としては、
① 猫の肌細胞などから遺伝子(DNA)を取り出す
②そのDNAから受精胚を人工的に作り出す
③人工的に作り出した受精胚を代理母猫の子宮に移し出産させる
愛猫の細胞から、愛猫と同じ遺伝子を持った子猫を、代理の猫に産んでもらう、という流れです。
容姿はそっくり、性格は?
クローン猫は毛の模様など外見はそっくりに生まれます。
性格も素地などは似ているようですが、育った環境にも左右されるため、完全にコピーとはいかないようです。
当然、記憶などは引き継ぎません。
クローン猫を飼うという事は、愛猫と同じ形、似た性格ではあるけれど、記憶や思い出はまっさらの新しい猫を飼うのと同じ、という事になります。

遺伝子は同じなので姿格好はコピーしますが、性格は環境などの影響も受けますね。
クローン猫の費用は?
商用としては犬のクローンが多く誕生していますが、犬の場合でクローン犬を生み出すのに600万~1000万円ほどです。
中国の業者には北米などの富裕層や著名人の依頼も多く届いているそうです。
理解はできる!
確かに愛する猫ちゃんをはじめペットとの別れはつらいものです。
もし、愛する猫ちゃんと同じ遺伝子をもって、同じ容姿で、性格の素地も近い猫ちゃんを手に入れることができるとすれば、それを欲しいという気持ちは十分理解できます。
問題や課題も
クローンで問題になるのが、代理母が必要になるという事です。
代理母の人権(猫権)の問題が発生いたします。クローン猫を生むために、代理母となる猫には妊娠して出産を繰り返すために、体力的にも精神的にも大きな負担となっています。
また、飼い主側の問題もあります。
クローン猫が作れることで、猫への愛情が薄れてしまう可能性が考えられます。
「亡くなっても、またクローンで作ればいいや」とか「この猫は性格がイマイチだから他のクローンを作ってもらいましょう」という人間の傲慢やわがままがまかり通ってしまう可能性です。
そうなると、クローンとはいえ、この世に生を受けた一つの命の尊厳が損なわれてしまう懸念があります。
クローン技術の活用
優秀な家畜の遺伝子を用いて優秀な家畜を飼育する動きは数多く出てきております。
また、軍用犬などでも優秀な遺伝子を持った犬のクローン犬は優秀な軍用犬に育ちやすいという実証もあり、クローンの利用は家畜や動物の間では進んできています。
今後も、家畜や軍事用などでの研究や実験は続くと見られます。
クローン猫の寿命などは
1996年にイギリスで誕生した世界初の哺乳類であるクローン羊の「ドリー」は6歳で亡くなってしまいました。
羊の平均寿命の半分ほどでした。
そのため、クローンは短命というイメージがつきましたが、最近の研究では長生きするクローンも多く、クローンと寿命が短いという結ぶ付は薄れてきているそうです。
新しい出会い
愛猫と同じ遺伝子をもち、同じ容姿のクローン猫を欲しがる人がいるというニーズは否定できません。
倫理的な意見、愛猫を失うという個人的な感情面的な意見、この二つの相反する価値観がぶつかり合うことも否定できません。
個人的には、愛猫への思い出はかけがえのないものとして深く記憶に刻み大切にしまっておく。
その上で、新しい猫との思い出を作っていくということが、月並みではありますが、素直に目の前の猫ちゃんを愛せるのではないかと思います。
もし、クローン猫を飼うことになったとすると、おそらく四六時中、前の猫と比較してしまいそうです。
クローン猫に関する記事は今後も注視して取り上げていきます。
コメント